それぞれの要素を切り離さずに学習する
読み、文法、作文をそれぞれ切り離してフランス語を学習してたら、フランス語は話せるようになりません。テキストを読むとき、そこで学ぶ単語表現、文法、発音を単語表現、文法、発音を習得して会話や作文で使ってやろうという心構えがとても大切です。教科書の中の単語や表現や文の構造を自由に使いこなせたら、かなりのフランス語を話せるようになります。
フランス語マスターのためには、教わるだけの受け身の勉強はダメで、覚えた知識を会話なり作文で使ってみる能動的な勉強が絶対必要です。これはどうやったら話せるようになる?:フランス語をフランス語で考える でもちょこっと書いてるので、読んでみてください。
頭を柔らかく、一つの表現にこだわるな
頭の柔軟さがあるか、ないかによって、外国語できるようになるかどうかは決まってしまいます。特に能動的な学習、会話や作文で、カチカチに固まってしまった頭ではどうしようもありません。
外国語会話ができない人の特徴の一つは、日本語の表現や言葉に執着していることです。日本語の原文を作って、それを外国語に翻訳して話そうとします。だから、いま自分が日本語で考えた表現でしかフランス語を話せないと思い込んでしまい、にっちもさっちもいかなくなる状態に陥ります。
あなたが言いたいことを表現するのに、たった一つの言い方しかないわけじゃありません。『こういう場合はこういうべきだ』というように凝り固まった考え方をしていると、話せることも話せなくなります。紋切り型の表現を覚えることも大事ですが、それより言いたいことをフランス語で文章を作れる能力を伸ばすことを優先しなければいけません。
フランス語を話せるようになりたければ、色々な言い方を考えましょう。
たとえば、皆さんがツアーガイドで、フランス人のツアー団体に観光地からホテルにバスで連れて帰り、90分後にまたショッピングに出かけるとします。いま16時で、出発は17時半です。あなたがガイドだったら、フランス人になんて言いますか?
- 出発は5時半です。
- 私たちは5時半に出発します。
- 私たちは1時間半後に出発します。
- バスは5時半に出発します。
- 皆さんは5時半までにバスに戻ってください。
- 私は5時半まであなた方をここで待っています。
この他にもまだ言い方があります。一つの単語が思い浮かばなければ、その言い方を止めます。さっきのツアーガイドの場合だったら、a.でのsujet、le départ(出発)というnomを知らなかったり、思い出せなかったら、b.の言い方に切り替えてnousやonをsujetにし、partir(出発する)というverbeを使いましょう。sujetはle carやle bus、vousでもいいわけです。
こんな感じで、色々な言い方を試すことができる頭の柔らかさがあれば、フランス語の状態は早いでしょう。

会話のコツは下手なピンポン:フランス語をフランス語で考えるの内容とも関連しますが、伝えたいことや言い方を複雑にしないことです。複雑な文を考えているとき、日本語で原文を考えていませんか?日本語は語彙が豊富な言語ということもあり、複雑な文になればなるほど、つい日本語で考えがちです。私はフランス語を話す時、特に状況説明でやってしまいがちです。そういう時はだいたい自分でもわからないフランス語になってしまい、結果、相手に伝わっていないことになります。
教科書に出てくるような文じゃなくて、地元のフランス人が使うもっとナチュラルな表現や会話をしたい!だって、どうせそんな表現使わないでしょ?
いえいえ、文法という金型が入っていなければ、ナチュラルな表現や会話はできるようになりません。皆さんは歌を習ったことがありますか?私は数年間、ジャズヴォーカルを習ったことがあります。ジャズといえば、崩した歌い方をするイメージもありますね。それがまた様になってかっこよかったりします。でもその数年間に学んだのは、メロディとリズムのピッチをキッチリ身につけないと、そうしたカッコいい歌い方ができないということでした。
フランス語や英語は私たちにとって外国語だから、「そんなの使わない」と思っている文法や表現でも一通り学ぶ必要があります。歌のメロディやコード、リズムのピッチと同じです。そうした基礎が頭の中に入っていれば、あとでいくらでも崩した言い方や、より自然な表現ができるようになるというわけです。