フランス語の勉強で大事なのは、定期的な復習。記憶の定着のために復習は欠かせません。でも参考書や学校は「フランス語」は教えてくれても、勉強の仕方は教えてくれません。今回は、「効果的に」しかも「効率よく」復習できる方法を紹介します。
復習のタイミングと計画の立て方
復習というと、人によっては「またあそこやらなきゃいけないのか」「面倒臭い」と考えがちです。そう思ってしまうのは、復習のタイミングや計画の立て方を知らないからじゃないかな?と思います。かくいう私もはっきりした目標も計画も立てず、1つの教材に固執してフランス語をやっていたので、多くの時間を消費していました。いま思えば本当にもったいなかったです。

これから新しい教材を始めるなら、学習前に、ざっくり学習のアウトライン(大体の計画。例えばこのページをこの日にやる、◯月までに終わらせる、など)を設定しておきましょう。
計画を立てたら、学習開始!
でもちょっと待って。復習っていつやればいいの?って思いますよね。例えば、文法の教材で1冊の中に25レッスン分入ってたらどうしますか?その日の復習、その日にしますか?
実は復習はその日のうちしてもあまり意味ありません。なぜかというと、それは”記憶を定着させるための復習”として効果がないからです。ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスの実験(「エビングハウスの忘却曲線」出典:Wikipedia)で、実証されたことですが、人間は学習した内容の74%を1日後に忘れてしまう結果が出ました。さらに1週間後、覚えた内容の77%を忘れ、1ヶ月後には覚えた内容の79%を忘れるという結果に。私たちの脳はもともと忘れることを得意としているので、前日覚えた内容の大半を忘れてしまっても、それは当たり前のことなんです。
実践!復習4回で覚える方法
復習のタイミングは、簡単に4回。
まず学習した翌日に1回目の復習。
その1週間後に2回目。
さらに2週間後に3回目。
さらに1ヶ月後に4回目の復習。
これはエビングハウスの忘却曲線で証明された、忘れるタイミングを見計らって復習をするというものです。ちなみに、この周期通りに復習のタイミングを知らせてくれるアプリがあります。「復習帳」です。なかなかの優れもので1日後、7日後、14日後、24日後(以後24日ごとに)という感じに、自由に復習日を設定可能。勉強する教材を登録して、教材ごとに復習のタイミングを管理できます。スマホで全部スケジュール管理する人には使ってみてほしいですね。
私の場合、復習は手帳とふせんを使って徹底管理。ちょっと汚いですけど、こんな感じで使ってます。4回目以降は2ヶ月ごとに復習。
先ほど紹介したアプリを使ってもいいんですけど、スマホは便利な分、流れでネット見続けるので使いません。私はこの復習方法を実践した結果、(1)学習時間が管理しやすく(2)1ヶ月にたくさんのことが覚えられ、なおかつ忘れにくくなりました。特に効果があったのは「語彙」と「同義語」。1つのことを言うのに表現の幅を広げるにはこの2つが欠かせませんから、辞書を引くことが減ったのがその証明かと思います。
短期記憶から長期記憶へ
人によっては3回で完璧に覚えられるという人もいるし、10回でやっと覚えられる人もいます。復習の回数は、何回か試して自分に合った回数や記憶の傾向を見つけてみてください。大事なのは、覚えたことを短期記憶から長期記憶に移行させることです。長期記憶に移行させるには時間がかかりますが、そこに保存されれば忘れにくくなります。
より効果的に記憶するには
覚えた単語や文法を効果的に記憶するには、
覚えた内容をアウトプットする
するのが大事です。
- 問題を繰り返し解く
- 覚えた表現、文法、単語を使って話す、文を書いてみる
- 音読する
といった覚えたことをすぐ使うこと。
私の場合、毎日フランス人の友達を電話やチャットしてるので、会話の流れで「この表現と単語今使える!」と思ったら、逃しません。即使います。そういう時に限って、比喩的な表現だったりするから「よくそんなこと知ってるね」って言われたりします(笑)。
これはDELFの受験勉強で学んだことですが、「同じこと言うのに、同じ単語や動詞、表現ばかり使わない。バリエーションをいくつも出す」ことも復習のスパイスになるはずです。
覚える時に何かの情報と関連づける
例えば、「chocolat chaud」。
この単語を覚える時にホットチョコレートの味や香り、形、色、飲んだ場所などいろいろな感覚を結びつけるとより覚えやすく、記憶されやすくなります。
これはエピソード記憶と呼ばれ、その人が体験した出来事やその時の状況などの情報が結びついた記憶です。私はこれを「記憶の映像化」と考えています。語彙の勉強をしてる時にいろいろな例文やシチュエーションが参考書に載ってるんですけど、それを自分の感情や体験と結びつけたり、今まで見てきた映画のシーンに当てはめたりするとすぐそのイメージが出来上がるので、比較的簡単に記憶できるんですよ。読書が得意な人なら、文章からいろいろなシーンを映像的に想像しますよね?あれと同じです。
昔ながらの方法で、単語を覚えるために単語カードや単語帳を手作りする人もいますが、私はしません。時間がもったいないですし、文字だけ見て覚えられない人だからです。単語だけ覚えたければ、画像と音、綴りが同時に覚えられるような方法を選びます。一番続いてるのは単語アプリですね。

会話やシチュエーションで覚えるのも効果的です。CLE Internationalの大定番「Vocabulaire proressif du français」は語彙を増やすために使っていますが、単語アプリと併用していると「あ、この動詞どっかで見たことある…」「これ知ってる」ことがよくあるので、辞書を引かずに済んだり、時間の短縮につながります。
怖がらずに前に進もう
脳の仕組みをうまく利用して復習すれば、多くの情報を覚えることができます。次の復習を待っている間は次のことを覚えたり、予習をしたりすれば良いのです。覚えた内容を長期記憶に入れることができたら、しめたものです。

もし覚えた内容を忘れても、「脳の性質だからしょうがないよね」と前向きに捉えるだけでも、モチベーションが上向きに変わってきます。それから、新しく覚えるものを「拒否」しないこと。興味がある/無い、受け入れる/受け入れないは覚えの速度に大きく影響します。
参考:こうすれば記憶力は高まる!~脳の仕組みから考える学習法
復習を忘れずに、新しいことは怖がらずに前に進みましょう!